本日、TPP(環太平洋経済連携協定)に関して、『TPP関係国との協議開始』を盛り込んだ政府の基本方針を閣議決定すると発表しています。
TPPに関しては、様々な意見があると思います。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)21カ国・地域のうち米国やオーストラリアなど9カ国で交渉が進む経済の枠組み。
コメを含む原則100%(コメの関税は778%)の関税撤廃をはじめ、投資、貿易円滑化、サービス、金融など幅広い分野で「障壁」を取り除く取り決めとなる見込み。
グローバルな考え方としては、何とも素晴らしい事だと思います。
しかし、今の日本には本当に必要なモノか??
経済で成り立っている国だと言うことは言うまでもありません。
ほんの数年前までは、世界を引っ張る国であったことは間違いないし、経済活動なしには、暮らしも良くならないと思います。
では、関税を全て無くす危険性は、きちんと議論されたのか?
『農家を守れ!!』
このフレーズは嫌いです。
グローバルな世界から、日本だけが逃れることは出来ないことはわかっています。
寧ろ、自分達の農産物を海外へ売りに行くぞと言う高い意識の元、農業生産をやっている農業者は沢山居ると思います。
自分達柿生産者も、柿の輸出に数年前から部会として取り組んでいます。
しかし、壁はもの凄く高い。
一番は検疫の問題。
柿のへたに着くカイガラムシが一匹もいない柿を選んで冷蔵しなければなりません。
検疫の緩い国もありますが、単価が安く、海外輸出するメリットがありません。
その上で、海外の業者との交渉。
買い手は沢山あります。
ただ、現金回収が確実に出来るかは不確定です。
リスクの高い取引です。
自分が最も恐いと思うのは、多くの農家が農業をやめ、農地を荒らすことです。
農業をやめられる方が農地をやる気のある農家へ譲って頂ければ、大規模農家や法人化する農家が増え、国際競争力も高まると思います。
しかし、日本では農地はまだまだ不動産だと思われています。
現に、安価な農地が、工業団地誘致や、バイパス建設などにかかると、一気に地価が跳ね上げります。
そんなことがあり得るため、農地所有者が手放そうとはしません。
ヨーロッパが所得保障で食料自給率を上げているのは、農地を国が管理し、農家へ貸しているため、経費を抑えることが出来、安定した農業経営が出来るからなのです。
こういった状況を整理し、食料を自国でまかなう状況を作らないと、グローバルな世界で日本は日本らしく生きていくのは不可能だと思います。
自分は、農家である前に、消費者であり日本国民です。
日本が崩壊していくところを見たくないし、自分の子ども達には安全なモノを安心して食べられる未来を残してやりたい。
経済が豊かになることばかりを訴える現政権には反対せざるを得ません。
ただ、農家を守るためではなく、食料、そして、日本という国を守るために反対なのです。
政府は、協議開始を決定するだけで、参加表明は先送りしたとされていますが、オバマ米大統領は来年秋にハワイで開くAPEC首脳会議の場で交渉妥結を目指しているとされ、日本が加われば交渉に弾みが付く可能性が高いと言われています。
本当にこのまま黙っていて良いのでしょうか。
自分は、本日天神でアピール行動に参加します。
柿の収穫最盛期、一年で一番忙しい時期ですが、自分は参加します。
農家としてではなく、『日本国民』として。